堅苦しい話なんぞ語ってみたりする。
「純米酒とか吟醸酒とかってなにがどう違うの?」
なんてご質問を受ける事が多くなりました。
ウンチクを語るのは酒くれ!の主旨に反しますが、日本酒に興味を持ってもらうためにもなるべく簡単に説明してみましょう。
日本酒通の方はスルーしてくださいな。
※間違ってたら優しくツッコんでください。
まず大きく2つのタイプにわけてみます。 ←いきなり酒税法無視してますが(^^ゞ
●純米タイプ(アルコール添加なし)
●本醸造タイプ(アルコール添加あり)
「純米タイプ」は米、米麹、水だけで造られます。
「本醸造タイプ」は米、米麹、水、醸造アルコールで造られます。
「アルコールを添加していない純米タイプの方が美味しいの?」と思う方もいらっしゃるようですが、これはなんとも言えません。
味や香りを整えるためにアルコールを添加し、これを誇りとしているお蔵もあります。
海原雄山さんや山岡士郎さんの「アルコール添加が諸悪の元」をそのまま鵜呑みにするのはかなり危険ですのでご注意ください。
※作者様は喜久酔特別本醸造(アルコール添加)が大好きというオチは有名ですしね。
日本酒好きの間で物議を醸した54巻問題については恐いので(笑)これ以上触れません。(趣旨の検証のために買い直したよ54巻。日本酒好きがニヤリとする確信犯的ボケやメッセージがあってオモロいよ。)
次に、それぞれのタイプはお米を削る度合いでさらにわかれます。
4割を削って6割が残った場合「精米歩合60%」と表現します。
●純米タイプ
純米大吟醸酒 : 精米歩合50%以下
純米吟醸酒 : 精米歩合60%以下
特別純米酒 : 精米歩合60%以下(例外あり)
純米酒 : 精米歩合定義なし
●本醸造タイプ
大吟醸酒 : 精米歩合50%以下
吟醸酒 : 精米歩合60%以下
特別本醸造酒 : 精米歩合60%以下(例外あり)
本醸造酒 : 精米歩合70%以下
※例えば純米タイプで精米歩合50%以下の場合、純米大吟醸と「名乗ってもいいですよ」という意味です。 ←青信号と同じですな
「美稲八〇」「獺祭50」のように銘柄に数字が入っているのは、精米歩合を表してたりしますね。
※「美稲八〇」は精米歩合80%の純米酒、「獺祭50」は精米歩合50%の純米吟醸です。
獺祭って「45」で純米吟醸、「48」で純米大吟醸を名乗っててオモシロいぞ。
でも「十四代」は精米歩合14%、「千寿」は精米歩合1000%ではありません。←1010%でもありません
上記の分類だと特別本醸造酒と吟醸酒は同じに見えますが、製法が違います。(特別純米酒と純米吟醸酒も同様)
吟醸・大吟醸は、独特な香り(吟醸香)を出すために低温で時間をかける「吟醸造り」という製法で造られます。
それから、これらは区分であって味のランクというワケではありません。
本醸造酒 < 吟醸酒 < 大吟醸酒
と思われがちですが、美味しさに関してはそんな事ないですよ。(確かに価格はそうですけどね。)
なので頂き物が「純米大吟醸」じゃなくても嫌われてるわけではないのでご安心ください。
この他、添加物(アルコールの他に糖類、酸類、調味料等)を加えた「増醸酒※2006/09/29時点」や、これら以外の「普通酒」、さらには清酒ではない(米を使わなくてもよい)「合成清酒」がありますが、「日本酒とはなにか」という酒税法の定義を持ち出すハメになるのでここでは省きますね。
「日本酒は苦手」「悪酔いする」と敬遠する人が飲んだお酒は「増醸酒」「合成清酒」だったりする事が多いのです。
ちなみに、酒くれ!で「増醸酒」「合成清酒」が登場した事はありま・・・したね、何度か(^^ゞ
自虐ネタとか。
以上、簡単(?)にまとめてみましたがいかがでしょうか?
私の勘違いや言葉足らず、間違いもあるでしょうが、なんとなくつかんでもらえれば嬉しいです。
※くれぐれも間違いは優しくツッコんでください。できれば見なかったコトに。(笑)
内容に関するご質問にはたぶん答えられません(笑)のでお許しください。 ←いっぱいいっぱいですから
清酒分類は国税庁の下記文を参考にしました。
特定名称清酒とは、純米酒、純米吟醸酒、吟醸酒、本醸造酒をいい、普通酒とは、特定名称清酒及び増醸酒以外の清酒をいいます。(出典:平成15酒造年度における清酒の製造状況等について)
※資料によって増醸酒と普通酒の関係が曖昧なのですが、ここは国税庁様らぶってコトで。
参考:国税庁「お酒に関する情報」
※2007/10/01より増醸酒は全て清酒ではなくリキュールと扱われるようです。これで少しは分類の混乱が減りますね。
2006年09月29日
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私には難しすぎますのでご勘弁ください〜(T_T)
YOSHIKIぢゃないですか??
純米吟醸酒以外は酒ではない的な感じはしますねぇ
本を読む限り。
本を読む前につ−様よりそういうわけではないという
趣旨の話をしてもらっていたので、このあたり読み
流せましたが。
文中の『確信犯的表現』てどこなんだろう。
今日帰ってその部分を推理してみよう。
そういえばY田さんとは「今回のネタは慎重に検証してる」という会話を交わしましたねー。たったこれだけの文章載せるのに2週間かかってしまいました。←間違った事載せられないので
つい酒税法も勉強しちゃいました。
54巻ネタで面白いトコをひとつ。
美食倶楽部で愛用している「鶴の里」。連載時は実在の銘柄でしたが、「アル添批判」の内容を知ったそのお蔵が「ウチの名前を使うな」と激怒したため、単行本では架空の銘柄「鶴の里」になったそうです。
ところがその後和解し(実は作者アル添好きだし)、そのお蔵が「鶴乃里」というお酒を本当に出したという面白いオチまでついてたりします。
今度『確信犯的表現』について語り合いましょう!(笑)